事業所が浸水しました。片付けや営業再開の前に、気をつけることは?
水が引いたら、すぐにでも片付けて営業を再開したいところです。ただ、浸水した事業所には感電やけがの危険が残っています。また、片付けの順番を間違えると、補助金や保険の申請で困ることがあります。
1. 片付けの前に、写真を残す
- 被害を受けた 建物・設備・商品・在庫の写真 を、片付けや修理の前に撮っておきます。
- 補助金によっては、災害発生日以降に行った修繕も対象になることがあり、その際に 被害状況を証明する写真 が求められます(石川県は能登半島地震の際、写真の撮影・保存を呼びかけました)。
- 撮るときは、建物の外観→部屋ごと→設備ごとの順に。浸水した高さがわかるよう、壁に残った水の跡も写しておくと説明しやすくなります。
- 修理の 見積書・領収書 も必ず保管します。
2. 電気設備・太陽光発電設備に近づかない
- 太陽光パネルは、壊れたり水につかったりしていても、光が当たれば発電します。 触ると感電するおそれがあります。
- 水が引いた後も、集電箱やパワーコンディショナーの内部に水分・湿気が残り、感電や発火の原因になることがあります。
- 対処は自分でせず、50kW未満は販売施工業者、50kW以上は電気主任技術者 に連絡します。やむを得ず扱うときは、ゴム手袋・ゴム長靴をつけます。
- 10kW以上の設備の設置者は、被害を知ってから24時間以内に、産業保安監督部への事故報告が必要になる場合があります(電気事業法)。
事業所の受電設備(キュービクル)や分電盤、動力設備が水につかった場合も、同じように水分が残っているおそれがあります。自分で電気を入れて確かめず、電気工事業者・電気主任技術者に点検を依頼 してから使ってください。
3. がれき・泥の片付けで、けがをしない
厚生労働省は、がれき処理の注意点として次の点を挙げています。
- 服装:長袖の作業着など肌の見えない服、ヘルメット、底の厚い靴(踏み抜き防止の中敷き)、丈夫な手袋、防じんマスク・ゴーグル
- 作業中:倒れそうな建物には近づかない(丈夫に見えても傷んでいます)/重い物を一人で運ばない/高い所に乗らない
- 工場で特に注意:薬品の容器や液漏れした機械を見つけたら責任者に連絡する。古いトランス・コンデンサーにはPCBが含まれていることがあり、不用意に触らない。石綿が含まれるおそれのある建材は、水でぬらして、割らずに片付ける
- 機械:クレーン・ショベルカーなどの運転には資格が必要です
- 実際の事故例として、釘の踏み抜き、錆びた釘による破傷風、トラックの荷台からの転落などが挙げられています
片付けで出たごみの出し方は、自治体によって違います。搬出の前に自治体に確認 してください。壊れた太陽光パネルは、ブルーシートで覆うかパネル面を地面に向けて置き、廃棄は自治体の指示に従います。
4. 業者とのトラブルに注意
日本損害保険協会は、「保険が使える」と言って修理を勧誘する業者や、保険金の請求を代行する業者とのトラブルが増えていると注意を呼びかけています。契約を急がず、加入している保険会社・代理店に直接確認してください。
次にやること
- 罹災証明書(事業所分)を自治体に申請する(→「り災証明書はどう取るのですか」)
- 保険会社に連絡し、使える補助・融資を確認する(→「水害の被害で使える保険と支援」)
- 従業員を休ませる場合の給与の扱いを確認する(→「休業手当は払う必要がありますか」)
出典・参照先
本ページは一般的な制度の概要を示すものです。制度の有無・要件・補助率・期限は災害ごと、また時期により変わります。 実際の適用可否は必ず各窓口・公式情報でご確認ください。