自リスクを知ることが、備えの第一歩。
「備えよう」と言われても、自社にどんなリスクがあるかわからなければ、何から手をつけるべきかも決められません。
同じ地域でも、地形や建物の構造などによって想定される被害は異なります。まずは自社の所在地にどんなハザード(自然災害のリスク)があるかを確認しましょう。
確認すべきハザードの例
| 種類 | 確認すること |
|---|---|
| 地震 | 想定震度、揺れやすさ、液状化リスク、活断層の近さ |
| 洪水・浸水 | 河川氾濫の想定浸水深、内水氾濫(下水逆流)の有無 |
| 土砂災害 | 土砂災害警戒区域・特別警戒区域に入っているか |
| 津波 | 沿岸部:想定浸水域と到達時間 |
| 高潮 | 沿岸・低地:高潮浸水想定区域 |
調べ方
Step 1:地震の揺れを知る
- 自治体の被害想定を確認する。「○○市 地震被害想定」で検索すると、想定される震度分布図や建物被害率が公開されていることが多い。
- J-SHIS(地震ハザードステーション)で、自社所在地の「今後30年以内に震度○以上の揺れに見舞われる確率」を確認する。
- 地震10秒診断で、自社の住所を入れると想定震度・ライフライン停止日数の目安が即座にわかる。
Step 2:水害リスクを知る
- 「重ねるハザードマップ」で自社住所を検索し、洪水・土砂・津波・高潮のリスクをまとめて確認する。
- 「わがまちハザードマップ」
から自治体ごとの詳細な浸水想定を見る。内水氾濫のマップがある場合は併せて確認する。 - 拠点が複数ある場合は、それぞれの所在地で確認する。
その震度・浸水深で、何が起きるか
ハザードマップで自社の想定震度や浸水深がわかったら、次はその数値で実際にどんな被害が起きるかを想像しましょう。
震度別:建物・設備への影響
| 震度 | 建物・設備の被害 |
|---|---|
| 5強 | 固定していない家具が倒れる。補強されていないブロック塀が崩れることがある。 |
| 6弱 | 耐震性が低い建物は壁や柱が破損。タイル・窓ガラスが落下。固定していない重量物が移動・転倒。 |
| 6強 | 耐震性が低い建物は倒壊するものがある。耐震性が高い建物でも壁・柱にひび割れ。 |
| 7 | 耐震性が高い建物でも傾いたり、倒壊するものがある。 |
出典:気象庁「震度階級関連解説表」
震度別:ライフライン停止期間の目安
| 震度 | 電力 | 上水道 | 都市ガス | 通信 |
|---|---|---|---|---|
| 5強 | 一部停電(数時間〜) | 一部断水の可能性 | — | 輻輳で繋がりにくい |
| 6弱 | 停電(〜数日) | 断水(〜1週間) | 一部停止(〜数週間) | 基地局停波あり |
| 6強 | 停電(数日〜1週間) | 断水(1〜数週間) | 広域停止(数週間〜) | 固定電話不通域あり |
| 7 | 広域停電(〜1週間超) | 広域断水(数週間) | 広域停止(1〜2ヶ月) | 広範囲で不通 |
出典:内閣府「南海トラフ巨大地震の被害想定」「首都直下地震の被害想定」を基に構成
浸水深別:事業所への影響の目安
| 浸水深 | 被害の目安 |
|---|---|
| 〜0.5m 床下〜膝 | 床下浸水。屋外設備・車両に被害。営業は一時停止。 |
| 0.5〜1.0m 腰まで | 床上浸水。1階の什器・在庫が水損。電気設備がショートするおそれ。歩行での避難が困難に。 |
| 1.0〜2.0m 1階天井付近 | 1階が水没。設備・商品は壊滅的被害。復旧に数週間〜数ヶ月。 |
| 2.0m以上 | 2階以上まで浸水。建物の構造にも被害。事業再開に数ヶ月以上。 |
出典:国土交通省「水害ハザードマップマニュアル」を基に構成
事業停止期間の実績(参考)
- 東日本大震災では、被災した中小企業の約4割が1ヶ月以上の事業停止を経験。
- 水害では、床上1m以上の浸水で復旧に平均1〜3ヶ月。泥の除去・設備交換・衛生確認が必要。
出典:中小企業庁「中小企業白書」
調べた結果を、次の備えにつなげる
出典・参照先
- ハザードマップポータルサイト(国土交通省)
全国の洪水・土砂・津波・高潮のハザードマップを一括検索。「重ねるハザードマップ」で複数リスクを地図上に重ねて表示できる。 - J-SHIS 地震ハザードステーション(防災科学技術研究所)
地点ごとの地震発生確率・想定震度・揺れやすさを地図で確認できる。 - 地震10秒診断(防災科学技術研究所)
住所を入力するだけで、想定震度とライフライン停止日数の目安が即座にわかる。